受信トレイルールのクォータ容量の拡張

BPOS-S ではSRで受信トレイルールの上限値を増加することが可能でしたが、Office 365では当初64KBに上限値が設定され、その上限値を上回る受信トレイルールを作成することはできませんでした。

この為、作成の仕方によっては(例えば、多数のメルマガを受信していてそのメルマガ毎に専用のフォルダに振り分ける、ある条件に合致したメールを特定の携帯などのアドレスに転送する、などの使い方などをされている場合)、この上限値に引っかかって新規で受信トレイルールを作成できなくなることがございました。

Office365サービスの改訂により、PowerShellが利用可能な場合、この制限を管理者が緩和できるようになったようなのでやり方を紹介します。

Set-Mailbox username@contoso.com -RulesQuota 256KB

このコマンドにより、username@contoso.comの受信トレイルールのクォータサイズが標準の64KBから最大値(256KB)に拡張されます。単純に計算して4倍の受信トレイルールを作成することが出来るわけです。

なお、テナントによってはまだ実施できない可能性も御座いますので、その場合は修正が適用されるまでお待ち下さい。

Windows Azure Active Directoryポータル

先日の投稿で、Office365がWindows Azure Active Directoryサービスをバックボーンとして利用しているという話をいたしました。

プレビュー版ですが、管理画面に入れるようになっているので早速確認してみました。アクセス先は以下のアドレスです。Office365にアクセスしてから開くか、直接Office365で利用しているID、PASSを入力してログオンするかです。

https://activedirectory.windowsazure.com/

各サービス毎の見た目は以下の通りになります。Windows Azure Active Directoryが根幹にあって、そこから契約している各サービス・機能へのリンクが張られている感じですね。

プランP1のテナント

プランE3のテナント

(新)Office365 Enterpruseテクニカルプレビュー

Office365のADがAzure ADに

9月に入って、ディレクトリ同期ツールからのメールが少し変わりました。とはいえ、内容自体に変わりは無く、送り元の署名が「Microsoft Online Servicesチーム」から「Windows Azure Active Directoryチーム」に変わりました。

特にサービスとしても差は無いように見えますので、Office365で利用していた基盤を共通化してWindows Azure Active Directoryというサービス名称で切り出したということでしょうか。

(前)

 

(後)

ちなみに、このチームからのメールは、

  1. ディレクトリ同期が24時間実施されなかった場合【日時で送信】
  2. ディレクトリ同期の際にオブジェクトが作成または更新できなかった場合
  3. シングルサインオンで利用している証明書の期日が近づいてきた場合(約1~2ヶ月前)

などに送信されてきます。オブジェクトの重複チェックで引っかかって更新できなかった場合など、障害内容の特定に非常に役に立つ内容になってますので、会社の設定の欄の技術担当者の電子メールアドレスは、随時受け取りが可能なアドレスをちゃんと記載しておくと良いかと思います。

【新機能】パスワード有効期限ポリシーの変更

Office365では、オンプレミスのActive Directory同様、デフォルトで「有効期限:90日」のパスワード有効期限のポリシーが定められており、当初はこちらを変更することはできませんでした。(このポリシーに合わない場合は、「無期限にする」という選択肢しかありませんでした。)

また、Outlookを利用している場合、パスワードの期限切れが近づいた場合にユーザーにそれを通知する機能がありましたが、こちらの通知期間もデフォルトで14日前からとカスタマイズはできない固定値でした。 【参照】Outlook パスワードの有効期限切れ通知

この夏(8月頃)のサービス更新でこちらの両方のパラメータをドメインごとに変更できるように改善されましたので、今回はこちらを紹介します。同じサービスでも、提供期間内にこういった改善事項がどんどん実装されていくというのはクラウドサービスならではですね。

こちらの変更ですが、PowerShellから実行をします。(一時期は管理者ポータルの画面から設定できたように記憶をしているのですが、現時点では確認できませんでした)

Windows PowerShell 用 Microsoft Online Services モジュールをインストールしている環境から、以下のコマンドを実行します。

$LiveCred=Get-Credential
Connect-MsolService -Credential $LiveCred
Set-MsolPasswordPolicy -NotificationDays xxx -ValidityPeriod yyy -DomainName contoso.onmicrosoft.com
Set-MsolPasswordPolicy -NotificationDays xxx -ValidityPeriod yyy -DomainName contoso.com

推察はできるかと思いますが、xxxにパスワード期限切れの事前通知期間を、yyyにパスワードの有効期限を設定します。設定可能な値は、xxx:7(1週間前)~60(2か月前)かつyyy以下 yyy:7(1週間)~1000(約3年間)です。

また、設定はドメインごとに実施をする必要があります。ドメインによってポリシーを変える(例えば関連会社を同一テナントに入れている場合など)ことも可能です。

なお、ここで以前の値より有効期限を短くした場合、このカウントは「そのユーザーが前回パスワードを変更した日」からの日数になりますので、ポリシーを変えた瞬間に期限切れになる可能性がございます。Webからのアクセスであればパスワード変更画面に飛ばされるのでさほど問題はないですが、POP/IMAPやActiveSyncなどは突然接続できなくなるように見えるので、短縮する場合はご注意ください。