Small BusinessでLync管理センターに接続

Exchange Onlineと同様、Small Businessのテナントからは、Lync Onlineの管理者画面(Lync管理センター)に接続するためのメニューは提供されていません。

管理者による設定は、全て管理ポータルの[サービス設定][IM、ミーティング、および会議]などの画面から設定を行う形になります。
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ただ、こちらもExchange同様、管理者画面へのリンクが張られていないだけであり、実際は接続するすることは可能です。管理画面のURLは、https://admin.online.lync.com/lscp/?language=ja-JP です。(テナント毎に収容が異なる可能性が有ります。)
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本来のURLは、上記から更に細分化されたhttps://admin0f.online.lync.com/lscp/?language=ja-JP&tenantID=(テナントID) などになります。上記のURLなどで接続できない、設定が反映されないなどの場合は、テナントIDは、上記管理画面のHTMLファイルのソースを見れば<div id=”TraceInfoDiv”>の中にTID=で入っていますので調べることが可能です。
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非サポートの手順となりますので、いつ接続できなくなるか分からない/この画面から設定変更することによりその後のサービスの利用に支障を来す可能性が有る、など、接続の際には十分ご留意頂ければと思います。

Lyncインストール端末でLync Web App

たまにニーズがあるので書いておきます。

Lync会議に参加する際に、日頃利用しているLyncのクライアントではなく、Lync Web Appから接続したいということがあります。例えば、

  • 日頃利用しているアカウントではなく、ゲストとして会議に参加したい
  • マルチパーティのビデオ会議など、Lync Basicでは利用できない機能を利用して会議に参加したい

などの場合です。

普通に招待された会議のURLブラウザに貼り付けても、一瞬Lync Web Appの画面が開きますが、そこからインストールされているLyncが呼び出されて、ブラウザのウィンドウが閉じて代わりにLyncで会議が開始されてしまいます。
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そこで、ブラウザで接続する場合は、会議のURLの末尾に ?sl=1 を付けて接続します。

例えば、会議招集通知のURLがhttps://meet.lync.com/contoso/admin/ABCDEFGH だった場合は、https://meet.lync.com/contoso/admin/ABCDEFGH?sl=1で接続します。

これにより、ブラウザからLyncクライアントが呼ばれることなく、Lync Web Appで接続することができます。
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新しいLync Web App

新しいLync Onlineになって、ブラウザからアクセスする際のクライアント「Lync Web App」も新しくなりました。

従来は、IM、プレゼンスだけというかなり限定的な用途にしか利用できなかった為、ビデオ会議などの場合はLync Attendeeというクライアントを別途インストールして貰う必要があり、特に外部のユーザーなどに接続をお願いする際に障壁となっておりました。

今回のLync Web Appは、音声・映像はもちろんのこと、新規で加わった「マルチパーティのビデオの表示」や「OneNote会議ノートの使用」など、Office Professional Plusに含まれるフル機能版のLync 2013(≠Lync 2013 Basic)でないと利用できない機能までWebから利用することができます。

利用法は簡単です。OutlookのLync会議の招集通知や、会議開催中の右下の…メニューの「会議参加情報」からURLを取得し、そのURLに接続するだけで、Lyncクライアントがインストールされていない場合はLWAの画面が立ち上がります。
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ここでは、名前を入れてゲストとして参加するほか、既存のLync Onlineのアカウントを利用してフェデレーションで接続することもできます。今回は名前を入れてゲストで参加してみます。

デスクトップ共有・プログラム共有の為に必要なプラグインのインストールのチェックを前の画面で入れてましたので、そのインストールが始まります。
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プラグイン読み込みの警告とWindows Firewallの警告が出ますので、それぞれ許可します。
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これで、Lync Web Appで会議に参加することができます。2人しか居ないサンプルなので分かりづらいかもしれませんが、上のところにずらっと参加者がならび、5人分が自動で映像が表示されるようなマルチパーティ表示の会議に参加できているのがお分かり頂けるかと思います。
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Lync Web App、便利だと思いますので、是非皆さん活用してみて下さい。

Lync Basicについて

新しいOffice365から、Lync Onlineのサブスクリプションを購入したユーザー(Office 365 プラン P1、E1、E2またはLync Online単体)が無償で利用できるクライアントがLync 2010からLync Basic 2013に変更になります。

なお、アップグレードしたテナントについては(おそらく一定期間でしょうけど)継続してLync 2010を利用ならびにポータルからダウンロードできるようです。

では、Lync 2013はどうなったの?というと、新しいOffice 2013 Professioal Plusに含まれています。この為、Office365 E3などをご契約の方はそちらにアップグレードして利用する事ができます。

Lync Basic とは によると、

Lync Basicは、フルバージョンの Lync 2013 クライアントの簡易版ですが、中心となる機能はすべて同じです。
ただし、次の機能を使用する場合は、Lync 2013 にアップグレードする必要があります。
・高度な通話機能: チーム呼び出し、着信の転送、同時呼び出し、ボイス メール、コール パーク、代理呼び出し、応答グループ、リモート通話コントロール (すべての Office 365 サブスクリプションで利用不可) 
・予定表の委任
・ギャラリー ビデオ ビュー
・OneNote の共有
・レコーディング
・スキル検索 (Office 365 では利用不可)
・仮想デスクトップ インフラストラクチャ (VDI) (Office 365 では利用不可)

Office 365で利用するという場合、一般的なケースであればLync Basicで十分な機能かもしれません。

ソフトの見た目もほぼ同じ(タイトルバーのみ)で、メニューのオプションの着信転送の設定画面程度しか見つかりませんでした。
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元からLyncは単体で販売している有償のソフトウェアでしたので差別化したいのでしょうね。

Lync 2013の新機能であるギャラリービデオビューや音声など、フル機能が利用できると確かに魅力的ですので、その場合はOffice Professional Plusに含まれるフルバージョンを利用すると良いかと思います。

Lync Online構成のDNSレコード(再変更)

 

昨年の11月頃、こちらの記事で紹介させて頂いた通り、Office365の管理者ポータルのドメインメニューから表示されるDNSレコードの構成要件が変更になりました。

おそらく先月くらいからだと思うのですが、こちらの表示が少し変わったように思えます。

_sip._tlsのSRVレコードの行が復活し、しかも微妙に表示がずれています。これは、プランPの方でも同じ表示になっています。

最近は特に_sip._tlsのレコードは明示的に追加はしていないのですが、もし問題が発生したら追加してみようと思います。

(9/5追加)
コミュニティで回答がありました。Lync AttendeeクライアントがSIPのAレコードは認識せずにSRVレコードのみ対応しているため、それ用に必要なレコードだそうです。

なるほど、そういえば微妙にLyncとLync Attendeeの挙動が違う環境があると思ってましたが、AttendeeはSRVレコードのみ(=Proxy非対応でIEの設定の影響を受けない)なのですね。

【参照】
Lync Online の会議に Lync Attendee クライアントを利用して接続できない

Lync 2010(クライアント)のインストールエラー

検証の間、一時アンインストールしていたのですが、Lync 2010クライアントをOffice365ポータルの「ダウンロード」ページから再度インストールする機会がありました。

すると、インストーラーが動いているはずなのにうんともすんとも言いません。タスクマネージャーを見ると、インストーラーは起動しているものの、1コアをほぼ占有した状態でハングアップしているようです。

以前インストールしたときはこんなことは無かったのですが…。

コミュニティで確認したところ、昨年から出ているインストーラーのバグのようで、インストールする環境(インストールされたプログラムの履歴のレジストリのゴミで起こることも有るらしい)に依存して発生するとのこと。

暫定的な解決策としては古いバージョンのインストーラーをインストールすればインストールして利用が可能とのことで、早速コミュニティの回答に指示された以下のurlからインストールを実施します。

32bit版 http://c2r.microsoft.com/oconline/en-us/7577.280/x86/ja-JP/LyncSetup.exe
64bit版 http://c2r.microsoft.com/oconline/en-us/7577.280/x64/ja-JP/LyncSetup.exe

すると、無事に何ともなくインストール完了しました。

少しバージョンが古い(7577.280)とのことですが、Windows Updateをかけて出てくるKB(Lyncの累積アップデート)は当てることができます。

これで無事最新化(7577.4061)できました。

(4/1追記)
3月末に「ダウンロード」のリンクからダウンロード出来るパッケージが更新されて、4.0.7577.4087になりました。一部の環境では上記エラーが解消されたという話も受けておりますが、私の環境では残念ながら同じようにまだインストーラーが起動できない状態です。

(5/15追記)
4月後半に更新されたパッケージで解消されたそうです。良かった良かった。

Lync Online構成用のDNSレコードの変更

Lync Onlineのバージョンアップに伴い、独自ドメイン環境でOffice365を利用する場合に利用するDNSレコードが変更になったようです。

管理者メニューのドメインの所から参照すると、現在以下の様な感じになっています。

SRVレコードで_SIPというサービス名が必要だったのが無くなり、代わりにCNAMEレコードを利用した記載に変わっていますね。

あと、lyncdiscoverというCNAMEレコードが加わってます。こちらはLyncMobileへの対応用でしょうか。

ちなみに、プランPでDNSをMicrosoftにホスティングされている方(通常はこちらのパターンだと思います)については、自動的に切り替わっていますので心配されることはございません。

特に表立ってレコード変更をかけてくれというアナウンスは無かったので、何もDNSいじっていなかったのですが、問題は発生していません。気になったので、Lyncクライアント側での動作をパケットキャプチャして見てみることにします。

どうやら、先にSRVレコードで_sipのサービス名を引きに行き、それが無かった場合にsip.[domain name]のレコードをクエリしている様です。
※その他、sipinternalというレコードも見ているようです。

確かに、インターネットに接続している外部向けDNSでSRVレコードを利用するというのはあまり聞きませんし、対応しているDNSホスティングサービスも非常に少数なので、サービスとしては良い方向性に向かっているのだと思います。現状のユーザーへの影響度も少なくなるように考慮はされているのでしょう。

ユーザ側の立場からしてみるとどんどんバージョンが上がって良い物になっていくというのはクラウドサービスの良いところではありますが、システム管理者やSIerの立場からすると、その内容やタイミング含め自分の制御下で実施出来ないということは煩わしさも感じてしまう面も存在します。

いずれこなれてきて、こういった類の情報のクラウド事業者→利用者への伝達手段も洗練されたものになってくると良いですね。

SRVレコード無しの環境でのLyncの利用

Office365のLync Onlineでは、DNSのSRVレコードを利用して接続先サーバの情報などをLyncクライアントに渡しています。

この為、Office365を独自ドメインで利用する(プランP)で紹介したようなDNSを外部ホスティングなどの環境を利用して、SRVレコードが設定できない様な場合、以下のようなエラーが出てLyncが使用できません。

心配はいりません。自動ログインができないだけなので、一度だけ手動で設定を入れてあげれば解決します。メニューのツールオプションを開き、個人 – アカウントの詳細設定を開きます。

そこで設定を手動構成として、内部サーバならびに外部サーバの欄に共にsipdir.online.lync.comを入力します。

これで再度サインインを試みると、ユーザ名とパスワードを入力する欄が出ますので、ユーザ名にサインインアドレスと同じ値を、パスワード欄にパスワードを入力します。

これで無事にサインインが完了します。上記設定は保存されてますので、一度設定さえすれば次回以降は問題なく利用出来ます。

【参考】
Lync Online で発生する認証と接続に関する問題のトラブルシューティング