SRVレコード対応のドメインレジストラ

Office365での独自ドメインの利用(RocketNet)でも書いたとおり、Office365のLyncでフェデレーションを利用する為にはSRVレコードが必要です。

残念ながら、日本のドメインレジストラに付帯してくるDNSホスティングサービスではOffice365の技術blog Office 365 で利用するための日本の主要なレジストラーにおける DNS の設定方法にも記載が有るとおり、ほとんど対応していない状況です。

Office365が発売されて時間も経ちましたので、折角なのでSRVレコードの対応状況を調べてみました。

まず、上記サイトでも紹介されていた5つのレジストラ

ですが、残念ながら現時点でもSRVレコードには対応していませんでした。折角なので、今後の対応予定が無いか尋ねてみます。Yahooのみメールでの問い合わせ窓口が分からなかったので送れませんでしたが

件名:DNSサービスの機能に関する問い合わせ

突然の問い合わせ失礼いたします、○○と申します。

マイクロソフトにて公開されております情報を読み、連絡をさせて頂いております。
 http://community.office365.com/ja-jp/blogs/office_365_technical_blog/archive/2012/05/14/office-365-dns-setting-for-major-japanese-registrar.aspx

マイクロソフトで拡販に力を入れているOffice365というサービスが有り、 中小企業を中心に
導入が進んでおります。この中で、LyncというIM/プレゼンス/テレビ会議などを実施することが
できるサービスが、他ユーザーやSkypeなど他サービスとの連携を行う際に SRVレコードの実装が
必須となっております。

ニーズとしては非常に大きいかと思うのですが、御社DNSサービスにおいて 今後SRVレコードに
対応される予定はございませんでしょうか?

よろしくお願い致します。

さすがにこの辺は回答早いですね。4サービスとも翌日には「対応予定無し」「貴重なご意見ありがとうございます」という感じの返答を頂きました。

という訳で、見つけられているレジストラは以下しか今のところは紹介できません。

ドメインレジストラのやっている無償のDNSホスティングはサービスでやっているような物ですから、新たなコンパネの機能開発投資は難しいというのは分かるんですけどね…。

SRVレコードを直接サポートというわけでは無いのですが、直接ゾーンファイルの内容をいじれるなど、間接的には以下でも実装可能ですね。

しっかり使うのであればVPSのLinux OSホスティングを月1000円くらいで借りてきて、そこでbindを運用。セカンダリ側だけレジストラに依頼するのが楽かもしれませんね。

Small BusinessでLync管理センターに接続

Exchange Onlineと同様、Small Businessのテナントからは、Lync Onlineの管理者画面(Lync管理センター)に接続するためのメニューは提供されていません。

管理者による設定は、全て管理ポータルの[サービス設定][IM、ミーティング、および会議]などの画面から設定を行う形になります。
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ただ、こちらもExchange同様、管理者画面へのリンクが張られていないだけであり、実際は接続するすることは可能です。管理画面のURLは、https://admin.online.lync.com/lscp/?language=ja-JP です。(テナント毎に収容が異なる可能性が有ります。)
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本来のURLは、上記から更に細分化されたhttps://admin0f.online.lync.com/lscp/?language=ja-JP&tenantID=(テナントID) などになります。上記のURLなどで接続できない、設定が反映されないなどの場合は、テナントIDは、上記管理画面のHTMLファイルのソースを見れば<div id=”TraceInfoDiv”>の中にTID=で入っていますので調べることが可能です。
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非サポートの手順となりますので、いつ接続できなくなるか分からない/この画面から設定変更することによりその後のサービスの利用に支障を来す可能性が有る、など、接続の際には十分ご留意頂ければと思います。

Small BusinessでExchange管理センターに接続

Exchange Onlineのブラウザによる設定は、通常Exchange管理センター(略EAC、旧ECP:Exchangeコントロールパネル)から実施します。

ただし、新しいOffice 365のSmall Business(Premium含む)については、Exchange、SharePoint、Lyncの設定をそれぞれの画面から実施するのでは無く、管理ポータル上から一元的に実施できるようにインターフェイスが変更されています。

例えば、サービス設定の画面からは予定表の共有やActiveSyncの設定が行えます。
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ユーザーとグループからは、外部連絡先/配布グループ/共有メールボックスの作成などが行えます。
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ただし、現在の時点で設定できる項目は少なく、従来行えていたようなよりきめ細やかな設定などは実施することができません。

また、OWAの設定メニューの[オプション]を押せば、Exchange管理センターにつながりますが、個人用の設定の画面のみであり、従来接続できた[組織]の設定の画面に行くことができません。(MidsizeBusiness/Enterpriseであれば、上部の[管理者▼]メニューの[Exchange]から接続できますが)
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そこで、Exchange管理センターに接続したい場合は、管理者アカウントから上記画面に接続した後、ブラウザのアドレスバーの/ecp/以降の文字列?rfr=owa…以降を全て削除したURL(https: //pod510xx.outlook.com/ecp/ )に対して接続します。そうすると、管理者アカウントのデフォルト画面である組織の管理画面に接続することができます。
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PowerShellからの接続同様、【利用できるけどサポート無し】というポリシーでの利用となるかと思いますのでご使用の際にはご留意頂ければと思います。

特定条件下でConnect-MsolServiceが失敗する

久しぶりにADFSの環境を構築しようとして、検証環境でConnect-MsolServiceコマンドレットでWindows Azure Active Directoryに接続しようとしたところ、なぜか以下のエラーが出て接続できない事象が発生するようになりました。

PS C:> Connect-MsolService -Credential $LiveCred 
Connect-MsolService : 要求チャネルは、応答を待機してから 00:00:59.8905882 後に
タイムアウトしました。Request の呼び出しに渡すタイムアウト値を増やすか、Binding
 の SendTimeout 値を増やしてください。この操作に割り当てられた時間は、より長い
タイムアウト時間の一部であった可能性があります。
発生場所 行:1 文字:1
+ Connect-MsolService -Credential $LiveCred
+ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    + CategoryInfo          : OperationStopped: (:) [Connect-MsolService], Tim
   eoutException
    + FullyQualifiedErrorId : System.TimeoutException,Microsoft.Online.Adminis
   tration.Automation.ConnectMsolService
Connect-MsolService : 種類 'Microsoft.Online.Administration.Automation.Microsof
tOnlineException' の例外がスローされました。
発生場所 行:1 文字:1
+ Connect-MsolService -Credential $LiveCred
+ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    + CategoryInfo          : OperationStopped: (:) [Connect-MsolService], Mic
   rosoftOnlineException
    + FullyQualifiedErrorId : Microsoft.Online.Administration.Automation.Micro
   softOnlineException,Microsoft.Online.Administration.Automation.ConnectMsol
  Service

エラーの内容からすると、単なるタイムアウトっぽいです。
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他の環境から実行したところ特に問題く接続できるので、クラウド側の障害とかでは無さそうに思えます。下の方のレイヤでの障害が疑われるので、とりあえずWireSharkでパケットを追ってみると、何となくそれらしい所が見つかりました。
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Connect-MsolServiceでは、まずlogin.microsoftonline.com(実体はlogin.microsoftonline.com.nsatc.net)に接続しに行った後、provisioningapi.microsoftonline.com(実体はprd-provisioning.msods.nsatc.net)に接続しにいくのですが、このprd-provisioning.msods.nsatc.netがAAAAレコードを持っているというところがポイントの様です。

というのも、この検証環境のOSはデフォルトの構成で適当に組んでいるので内部セグメントではIPv6が有効化されており、ドメコン上のDNSサーバで名前解決もできるのですが、ルーターやFirewall、回線はIPv6対応していなく、IPv6でインターネットに向けて通信ができないという、ちょっと特殊な環境です。

ご存じの通り、Windowsでは同一ホスト名に対してIPv4とIPv6の両方で接続ができる場合、IPv6での接続を優先的に試みます。今回、IPv6の通信がタイムアウトで失敗してIPv4にフェールバックされてくる前に、PowerShellの接続モジュールの方が耐えきれなくなってタイムアウトしている…という状況のようです。

…というわけで、IPv6を切ったら何の問題も無く繋がるようになりました。
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Office365も段々とIPv6対応してくるサービスが増えてくるようなので、もう少ししっかりIPv6の構成をオンプレでも見直していった方が良いかもしれませんね。

OWAのカスタマイズ(メイン機能)

新しいOffice365では、今までPowerShellからしか実行できなかった設定変更のうち、利用頻度の高い物をGUI(Exchange管理センター)から実施できるようになりました。今回は、機能のON/OFFのうち、ニーズの多い物について説明したいと思います。
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まずは、連絡先(画面上での表記はPeople)についてです。連絡先関係で制御ができるのは、主に以下のパターンです。

  1. ソーシャル連携(LinkedIn、Facebook)を無効化したい
  2. 「全てのグループ」「全ての会議室」などのアドレス帳を無効化したい
  3. グローバルアドレス帳自体を無効化したい
  4. Peopleの表示自体を消したい

1)のソーシャル連携、良く話を受けますがインターネット上の個人のアカウントと会社のメールのアドレス帳の連携は禁止したいという要望は日本の企業としては大きいようです。GUIからは「LinkedIn連絡先の同期」「Facebook連絡先の同期」のチェックを外します。PowerShellから実施する場合は、Set-OwaMailboxPolicyの「-LinkedInEnabled $false」「-FacebookEnabled $false」です。
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2)について、Outlookではビル毎の会議室などのアドレス帳のサブセットを作った際に階層構造で表示できるのですが、OWAは名前順になってしまうので、見た目上あまり綺麗じゃないなどの場合に利用します。PowerShellだと「-AllAddressListsEnabled $false」です。

これを適用すると、個人の連絡先の他に[ディレクトリ]だけ表示されるようになります。
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3)のグローバルアドレス帳(2番でいう[ディレクトリ])を無効化するというのは、PowerShellからしか実施できませんが、2の設定に加えて「-GlobalAddressListEnabled $false」を指定すれば表示を個人の連絡先だけにするということができます。

この状態でも、メール作成時などに検索をすることはできますので、アドレス一覧で運用するのが現実的では無いような大規模なユーザーではニーズがある設定かと思います。
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4)はGUIからであれば[連絡先]のチェックを外す、PowerShellの場合は「-ContactsEnabled $false」で消せます。かなりドラスティックですが、個人の連絡先を消す場合はこの設定になります。前述の通り検索は可能なので、グローバルアドレス帳の検索のみでの運用としたい場合はこの設定にします。
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続いては、予定表関係です。 予定表は他のグループウェアなどで管理しているので利用させたくない場合などに利用します。

GUIの場合は[予定表]のチェックボックスを、PowerShellであれば「-CalendarEnabled $false」で予定表自体の表示を消せます。Outlookと併用している場合など必要に応じて[アラームと通知]も消して下さい。
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タスク(仕事)に関してはGUIの[タスク]かPowerShellの「-TasksEnabled $false」で設定ができます。私の試した限りでは、環境ではメール下部の[タスク]の表示は消えず、クリックするとタスク画面に移ったのがクリックしてもタスク画面に移れないという挙動に変更になりました。
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メモ、OWAからの場合は受信トレイの下部フォルダから見れるようになっているのですが、これも消せます。GUIの[メモ]またはPowerShellの「-NotesEnabled $false」です。
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さて、これらを全て消すと、Exchange Onlineしかサブスクリプションを設定しないユーザーはOutlookしか表示されなくなり、かなりシンプルになります。本当に限定的なWebメーラーとしての使い方をしたい場合にはアリかもしれません。
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Set-OwaMailboxPolicy OwaMailboxPolicy-Default -TasksEnabled $false -CalendarEnabled $false -ContactsEnabled $false

ただ、将来的には会議室予約やタスク・スケジュールとの連携などExchangeのフル機能を利用し、業務を効率化していく事を是非目指していって欲しいですね。

最後に注意点ですが、これはあくまでOWAから接続できないように設定をしているのみですので、Outlookを利用した場合は普通に利用できます。そちらも合わせて制御するのであればOfficeのポリシーテンプレートとかで制御する必要があります。

Office 365 Enterpriseの独自ドメイン

前回のOffice 365 Midsize Businessに引き続き、今回はOffice 365 Enterpriseにおける独自ドメインについて書きたいと思います。

すいません、最初に言っておきます。この記事を投稿した時点ではMidsize Businessとの違いが見つけられませんでした。(今後変更になるかもしれないので、一応エントリーは分けて作成しておきます)

ドメイン関係のメニューなので、[ドメイン]メニューを開き、[ドメインの追加]を選択します。
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Enterpriseのドメインの確認プロセスは、以下の3つのプロセスです。

  1. ドメイン名の確認
  2. 独自ドメイン名を持つユーザーの作成
  3. ドメインの目的の設定とDNSレコードのチェック

まずはドメインの確認を行います。ドメイン名を入力すると
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そして、ここで出力された物をDNSサーバーに登録します。
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DNSキャッシュのせいで少し時間が掛かる可能性が有りますが、これでドメインの所有確認が完了します。
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続いてはこの独自ドメイン名を持つユーザーを追加するという工程ですが、これは後からでも追加できますので、特に追加せずに次に進みたいと思います。
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最後に、独自ドメインを利用する上でのDNSのチェックです。以前はこの部分は後からトラブルシュートで実施することができましたが、今回からはウィザード中で実施する必要があるようです。

まずはドメインの用途を「Exchange Online」「Lync Online」「SharePoint Online」で選択します。デフォルトでは、Exchange OnlineとLync Onlineのチェックが付いていますが、SharePointのみ排他利用なので、チェックを入れる場合(サイト名として利用する場合)はExchange,Lyncでは利用できません。

ここでLyncのチェックを外したとしてもログオン用のIDとしてその独自ドメインを利用した場合、そのユーザーにLyncのサブスクリプションを付与するとその独自ドメインのSIPアドレスを持つアカウントがLyncで作成されてしまうので、あまり意味は持たないのかもしれません。

独自ドメイン名自体をExchange,Lyncにして、wwwなどのサブドメインを作成してそちらをSharePoint Onlineで利用されるというパターンが多いようです。
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ここで表示されたレコードをDNSサーバーの方に設定させて、チェックが通ればこの工程は終了です。ちなみにここのチェックが完了していなくても、設定自体は完了しているのでOffice365は問題なく利用できます。特にSRVレコードが作成できない場合や、他のメール配信サーバーがあってSPFのTXTレコードの値をカスタマイズしている場合など、無視して利用する形になります。
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ついでなので、PowerShellからドメインを追加する場合の手順について記載します。

ドメインの追加には、Windows PowerShell 用 Microsoft Online Services モジュールを立ち上げてOffice 365に接続後、New-MsolDomainコマンドレットを実行します。ドメイン認証用コードの取得はGet-MsolDomainVerificationDnsです。
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確認はConfirm-MsolDomainコマンドレットで行います。エラーが出ない場合は成功です。画面の表示は変わりませんが、Get-MsolDomainでのStatusがUnverifiedからVerifiedに変わります。
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また、最初に追加されたドメインの場合はそのテナントの既定のドメインにするという設定に自動的になりますので、そちらも必要に応じて修正します。

New-MsolDomain -Name ドメイン名
Get-MsolDomainVerificationDns -Mode DnsTxtRecord -DomainName ドメイン名
Confirm-MsolDomain -DomainName ドメイン名
Set-MsolDomain -Name ドメイン名 -IsDefault

1点だけ異なるのが、デフォルト状態でのドメインの用途がGUIから追加した場合はExchange OnlineとLync Onlineにチェックが入っていますが、PowerShellから作成した場合は用途に何も設定されていません。

このままだと、作成するDNSレコードの詳細などが分からないので[ドメイン]メニューから[DNS設定の表示]を開き、[ドメインの目的を変更する]でGUIのSTEP3のメニューを手動実行しましょう。

また、これは少し原因が分からないのですが、Confirm-MsolDomain コマンドレットで認証を行った場合、GUIの設定画面のSTEP1の最後の部分がエラーが出て完了できません。前述の通り、ドメインの認証さえ終わっていれば(GUIの場合DNS設定の表示が出せる状態、PowerShellの場合はGet-MsolDomainの値がVerifiedになっている状態)「セットアップが進行中です」のステータスのドメインでも問題なく利用できますが、少し気持ち悪いですね。

Office 365 Midsize Businessの独自ドメイン

2月より新たに提供開始された1-250名規模の企業向けのプラン、Office 365 Midsize Businessにおける独自ドメインの使用について紹介したいと思います。

Midsize Businessのメニュー体系は、プランEとほぼ同じです。独自ドメインの追加は[ドメイン]メニューの[ドメインの追加]から実施します。
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Small Business Premiumが5ステップだったのに対して、こちらはDNSサーバをユーザー側で用意する分、手順が3ステップとかなり簡単になっています。

  1. ドメイン名の確認
  2. 独自ドメイン名を持つユーザーの作成
  3. ドメインの目的の設定とDNSレコードのチェック

まずは、追加したい独自ドメイン名を入力します。
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手順の中では主要レジストラの手順が紹介されていますが、日本の場合は[一般的な手順]を読むと良いでしょう。
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既存のDNSサーバに指定されたTXTレコードを記載します。ちなみに、このゾーンは試験用に作ったドメインということでデフォルトのTTL(最初の行)が300秒に設定されてますが、通常は3600(1時間)とか86400(1日)とかが多いと思うので、その場合はレコード毎のTTLを少し落として設定しても良いですね。(後でSPFとして利用されるTXTレコードの設定値をチェックする工程があるので、そこでの確認時間短縮のため)
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最初のうちは以前の値がキャッシュされていたり、セカンダリDNS側への伝搬が完了していなかったりするので認証されなかったりしますが、キャッシュがクリアされ次第認証されます。(以前にTXTレコードが1つも無かった場合は、”そんなレコードは無い”という情報が他のDNSサーバでキャッシュされている可能性がありますが、ネガティブキャッシュと呼ばれるこの種のキャッシュの生存期間はSOAレコードの最後の行:minimumで指定されています。上記例であれば1日。気になるようであれば300秒とかに短縮しておきましょう)
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続いて、独自ドメイン名のアカウントを作成できます。特に後からでも追加できますので、ここでは[今はユーザーを追加しません]を選択します。
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次に、ドメインの目的とDNSのレコードチェックを行います。用途としては、ほぼ2択であり「(デフォルト)①Exchange、Lyncでサービス用のIDとして利用する」「②SharePointのWebサイトとして利用する」のどちらかになります。

ちなみに、ここで下の高度なセットアップを開いて[社内のメールボックスがOffice365で動作するようにセットアップ~]を選択すると、オンプレミスのExchange 2010とのハイブリッド構成用のコネクタの作成などがこの工程中で実施できます。
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DNSサーバに設定するレコードの一覧が表示されます。メールで利用するTXTレコード、MXレコードの値が.protectionのサブドメインの付く新しい値に変わっているので、前のバージョンに慣れていた方は入力ミスにご注意下さい。
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以前はここでウィザードは終了だったのですが、ここでDNSレコードがしっかり登録できたかどうかのチェックが終わらないと、セットアップが完了しないようになりました。以前もトラブルシュートの画面から設定を手動で確認することができたのですが、今回からは必須要件になったようです。

全てのレコードの設定が正しくないとエラーがでます。TXTとMXが正しく設定しているのに確認が取れないという場合は、おそらく手順1のチェックの際に取得した値をMicrosoft側のDNSがキャッシュとして保持していた場合のエラーなので、おとなしくキャッシュがクリアされる時間を待って再度確認します。

この工程ですが、チェックが完了していなくてもドメインの使用自体は既にできるようになっておりますので、お急ぎの場合は[閉じて後で戻る]などでも良いと思います。その場合、ドメインメニューを開いた場合のステータスが[セットアップが進行中]になります。そのリンクをクリックするとまたこのウィザードに戻る事が可能です。
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これが完了すると、ドメインが正しく追加されます。DNSの設定を確認したりドメインの目的を編集したい場合は、[DNS設定の表示]を開いて行います。
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余談ですが、また追加後の独自ドメインのステータスが[アクティブ]になりましたね。これ、以前のバージョンで、リリース当初は[アクティブ]だったのですが、途中からいつのまにか[確認済み]に仕様変更されていて、よくユーザーから「マニュアルの手順通りにやっても書いてある結果(アクティブ)にならない。どうしてだ?」と問い合わせを受けたものです…

Office 365 Small Business Premiumの独自ドメイン

特に、Small Business Premiumに関しては、専門の管理者外無くても構築・運用することが可能なように開発者側でケース毎のシナリオを多が用意され、セルフサービスにて解決が可能なように開発されております。

今回は、Small Business Premiumを実環境で利用する上で一番最初にやる必要があることが多い「自社ドメインの追加」について、実際の画面のイメージを交えながら解説していきたいと思います。

ドメインの追加は、[はじめに]ウィンドウと呼ばれる基本メニューの中の一番最初「電子メールアドレス」から実施します。
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まず、一番最初に[Office365の電子メールアドレスを変更しますか]と聞かれるので、[今すぐ開始]を選択します。次の画面では、具体的に追加しようとするドメイン名について聞かれますので入力し、[次へ]をクリックします。
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次に、そのドメインの用途として「①メールアドレスとして利用しているか」「②www.独自ドメイン名のサイトを持っているか。持っている場合は今のWebサーバをそのまま継続するか」について尋ねられます。ここでは、「①はい」「②はい。引き続き現在ホストされている場所に置きます。」を選択します。
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ちなみに、ここで「はい。ただし、Office 365 で新しい Web サイトを作成して置き換えます。」を選択した場合は、電子メールアドレスを切り替えた後に「一般向けWebサイト」で移行をしてくれと表示されます。結局、ここで何と答えても、後からOffice365でホストするように変更が可能です。
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これで、ようやくメインのドメイン追加プロセスに移ります。追加プロセスは主に5つのプロセスで行われます。
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  1. ドメインの所有確認
  2. Webサイト向けDNSレコードの生成
  3. 既存ユーザーのログイン名/電子メールアドレス変更
  4. 独自ドメインのログイン名/電子メールアドレスを持つ新規ユーザーの追加
  5. ネームサーバーの変更

早速[手順1を開始する]を選択し、追加プロセスに入っていきたいと思います。マイクロソフトがいくつかDNSホスティングサービスを実施している業者の手順を作成してくれているのですが、残念ながら日本の物はありません。[この件に対応してくれる人物がいます。]という選択肢を選んだ場合の表示内容が一番シンプルでしっかりまとまっているので、今回はそちらを選びます。
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TXTレコードまたはMXレコードを作成してくれというメッセージが表示されます。MXレコードは既存メールサーバへの配信が変わる可能性が有る(実際は、~.msv1.invalidという存在しないドメイン名なので理論的には悪影響は無いはずですが)ので、今回はTXTレコードで認証を行いたいと思います。bindのゾーンファイルを変更して、@(ドメイン名自身)のTXTレコードとしてMS=ms78940134を追加します。両側の” “はおまじないです。無くても別に認証は通ります。
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登録が完了したら、[今すぐ確認する]を選択します。タイミングが早すぎるとエラーがでますが、少し待つと認証できるかと思います。(デフォルトTTLの設定や既存でTXTレコードが有るかどうかにもよるが、数分~1日程度だと思います) これで、STEP1は終了です。
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さて、STEP2に移ります。
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STEP2は、既存(もしくは新しく移行する)Webサイトの設定情報をOffice365でホストされるDNSのレコードに反映させる作業です。最初に既存のWebサイトのアドレスを調べてきて下さいという内容が出ます。丁寧に、「私のサイトのIPか、静的IPでなければFQDNを教えて下さい」というサンプル文書が表示されるのですが、残念ながら英語です。
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調べたIPアドレス(もしくはFQDN)を入力します。ご丁寧に現在のDNSレコードを引いて、それと正しいかどうか見てくれるみたいです(そこまでわざわざやってくれるなら元から自分で検索して初期値として設定してくれればいいのに…とも思いますが)。これにより、wwwのCNAMEレコードとIPアドレスの場合は@のAレコードが、FQDNの場合はCNAMEレコードが裏で生成されます。
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STEP3は既存ユーザーのメールアドレスの変更です。
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既存のユーザー一覧が表示されますので、その中から電子メールアドレスを独自ドメインに変更したい物をチェックし、[更新]を押します。なお、この際に一緒にログイン名も独自ドメインに変更されます。
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STEP4は独自ドメインのメールアドレスを持つユーザーアカウントの新規追加になりますが、今回は既存で作ってあり、STEP3で変更済みのため新規では作成せず、[いいえ。~の電子メールを使用しているのは私だけです]を選択します。既存のメールサーバーを利用しており、まだそのアドレスを持ったユーザーをOffice365に作成していない場合は、メールの受信を継続できるよう、ここの段階で必ず追加する必要があります。
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最後のSTEP5は、ドメインのネームサーバをOffice365に変更するという一番大きい工程です。ここでミスしてしまうと、メールが受信できなくなったりWebサーバに接続できなくなったりかなり影響が大きいので、慎重に今までのSTEPが完了していることを確認してから実行しましょう。
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ここでも各種レジストラの設定情報が表示されますが、残念ながら[使用しているサービスが一覧にない]を選択します。ネームサーバー1、ネームサーバー2として記載のある ns1.bdm.microsoftonline.com / ns2.bdm.microsoftonline.com のアドレスをメモしておきます。
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前項でメモしたネームサーバーに、利用したい独自ドメインのネームサーバーを変更します。画面のイメージはお名前.comで実施した場合のイメージです。
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反映にはしばらく時間が掛かることがありますが、完了したら以下の様に処理完了の旨の表示が出るので、[完了]をクリックし、[完了しました。]をクリックします。
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これでドメインの追加は完了です。ドメインのステータスも、[確認済みの表示になります。]
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ドメイン名を選択し、[DNSの管理]から既存の設定を見たり、WebサーバーのIPアドレスを変更したり、新たなホストレコードの追加などが可能になります。
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Lyncインストール端末でLync Web App

たまにニーズがあるので書いておきます。

Lync会議に参加する際に、日頃利用しているLyncのクライアントではなく、Lync Web Appから接続したいということがあります。例えば、

  • 日頃利用しているアカウントではなく、ゲストとして会議に参加したい
  • マルチパーティのビデオ会議など、Lync Basicでは利用できない機能を利用して会議に参加したい

などの場合です。

普通に招待された会議のURLブラウザに貼り付けても、一瞬Lync Web Appの画面が開きますが、そこからインストールされているLyncが呼び出されて、ブラウザのウィンドウが閉じて代わりにLyncで会議が開始されてしまいます。
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そこで、ブラウザで接続する場合は、会議のURLの末尾に ?sl=1 を付けて接続します。

例えば、会議招集通知のURLがhttps://meet.lync.com/contoso/admin/ABCDEFGH だった場合は、https://meet.lync.com/contoso/admin/ABCDEFGH?sl=1で接続します。

これにより、ブラウザからLyncクライアントが呼ばれることなく、Lync Web Appで接続することができます。
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新しいLync Web App

新しいLync Onlineになって、ブラウザからアクセスする際のクライアント「Lync Web App」も新しくなりました。

従来は、IM、プレゼンスだけというかなり限定的な用途にしか利用できなかった為、ビデオ会議などの場合はLync Attendeeというクライアントを別途インストールして貰う必要があり、特に外部のユーザーなどに接続をお願いする際に障壁となっておりました。

今回のLync Web Appは、音声・映像はもちろんのこと、新規で加わった「マルチパーティのビデオの表示」や「OneNote会議ノートの使用」など、Office Professional Plusに含まれるフル機能版のLync 2013(≠Lync 2013 Basic)でないと利用できない機能までWebから利用することができます。

利用法は簡単です。OutlookのLync会議の招集通知や、会議開催中の右下の…メニューの「会議参加情報」からURLを取得し、そのURLに接続するだけで、Lyncクライアントがインストールされていない場合はLWAの画面が立ち上がります。
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ここでは、名前を入れてゲストとして参加するほか、既存のLync Onlineのアカウントを利用してフェデレーションで接続することもできます。今回は名前を入れてゲストで参加してみます。

デスクトップ共有・プログラム共有の為に必要なプラグインのインストールのチェックを前の画面で入れてましたので、そのインストールが始まります。
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プラグイン読み込みの警告とWindows Firewallの警告が出ますので、それぞれ許可します。
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これで、Lync Web Appで会議に参加することができます。2人しか居ないサンプルなので分かりづらいかもしれませんが、上のところにずらっと参加者がならび、5人分が自動で映像が表示されるようなマルチパーティ表示の会議に参加できているのがお分かり頂けるかと思います。
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Lync Web App、便利だと思いますので、是非皆さん活用してみて下さい。