あまり日本語のドキュメントが無かったので、自分のリマインダ代わりに手順を記載します。
ADFSは、その動作の為にSSL証明書を利用しますが、その用途によって「①サービス通信証明書」「②トークン暗号化解除証明書」「③トークン署名証明書」の3つが利用されます。
Office365を利用する場合、ウィザードで通常通り作成すると、①はIIS等でCSR作成した外部CA(もしくは自己署名やエンタープライズCA)の証明書で、②③がADFSが自動的に生成した証明書となります。
SSL証明書には有効期限がありますので、①②③ともに有効期限が来る前に更新をする必要があります。
ADFSサーバ – サービス通信証明書(①)
CSRの発行から登録についてもいくつか処理を実施しなくてはいけません。Microsoftのサポートページに機械翻訳のKBも載ってますので参考になさって下さい。流れとしては以下の通りです。
それを過ぎると、ADFS 2. 0 サービスの通信の証明書を変更する方法
- 【準備】CSRを発行する
- 【準備】CSRを外部CAに送信して証明書を発行して貰う
- 【準備】発行された証明書を秘密キーを含む形(pfx)でエクスポートする
- MMCの「証明書(ローカルコンピューター)」から上記のpfxを「個人」ストアにインポートする
- MMCからインポートした証明書の「全てのタスク」「秘密キーの管理」から、ADFSファームのサービスアカウント(スタンドアロンの場合はNETWORK SERVICE)に「読み取り」のアクセス権を与える
- IISの「Default Web Site」の「バインドの編集」から、HTTPSで利用しているSSL証明書を新しい物に変更する。
- ADFSの管理コンソールから「サービス」「証明書」を選び、右ペインの「サービス通信証明書の設定」をクリックすると、利用できる証明書の一覧が表示されますので、新しい物に変更します。
ADFSサーバ – トークン暗号化解除証明書、トークン署名証明書(②③)
以前の投稿「ADFSインストールから350日でSSO不可」「ADFSの自己証明書の期間延長」でも記載しましたが、自己証明書でADFSサービスが自動的に更新を行ってくれるので手順的にはそれほど問題は無いと思います。
Office365の場合は自動的に期限の切れる20日前に、その時点から1年間有効なセカンダリの証明書が発行されるので、それがプライマリに昇格する5日間の間にUpdate-MsolFederatedDomainコマンドを実行するか、Microsoft Office 365 Federation Metadata Update Automation Installation Toolをインストールしておきます。
手動で任意のタイミングで実行したい場合は、以下を参考に実行されて下さい。
Add-PSSnapin Microsoft.Adfs.PowerShell
Import-Module MSOnline
$LiveCred = Get-Credential
Connect-MsolService -Credential $LiveCred
Update-ADFSCertificate
Update-MsolFederatedDomain -DomainName contoso.com
Get-MsolFederationProperty
Restart-Servivce adfssrv
毎回実施するのが面倒な場合は、Set-AdfsProperties -CertificateDuration 3650 などを加えても良いでしょう。更新後は念のためADFSサービスを再起動します。
ちなみに、ADFSファーム構成の場合、この証明書情報はActiveDirectory上に格納されますのでこの工程と①の最後の工程はADFSのプライマリ(最初にインストールした物:Get-AdfsSyncPropertiesでRoleがPrimaryComputerと出る物)で実施すればファーム内の別サーバに同期されます。
※その他の①の工程(IISへの設定)は各マシンで個別に実施する必要があります。
ADFS Proxyサーバ
ADFS Proxyサーバは、基本的にはADFSサーバでいうサービス通信証明書に相当する証明書のみ利用しています。
通常の場合はADFS Proxy構成ウィザードを走らせる必要は無く、
- MMCの「証明書(ローカルコンピューター)」からpfxを「個人」ストアにインポートする
- MMCからインポートした証明書の「全てのタスク」「秘密キーの管理」から、NETWORK SERVICEに「読み取り」のアクセス権を与える
- IISの「Default Web Site」の「バインドの編集」から、HTTPSで利用しているSSL証明書を新しい物に変更する。
でいけるかと思います。
ただ、ADFS側でトークン署名証明書を更新した場合は、ADFS Proxy構成ウィザードを再実行した方が良いという情報もございますので、念のため実行しておいた方が良いでしょう。