個々の記事とは別に、まとめ記事として上の固定ページの方に「Office365まとめ」の公開を始めます。とはいっても、結構前から上に出てましたけどね;;;
Office365まとめ
https://blog.o365mvp.com/o365/
元は自分の作業のメモ書き程度に利用してましたが、これからは意図してちゃんとこちらのページの方も一緒に更新していきたいと思います。
うまく纏めていって、TIPS集にしていければと思います。
個々の記事とは別に、まとめ記事として上の固定ページの方に「Office365まとめ」の公開を始めます。とはいっても、結構前から上に出てましたけどね;;;
Office365まとめ
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元は自分の作業のメモ書き程度に利用してましたが、これからは意図してちゃんとこちらのページの方も一緒に更新していきたいと思います。
うまく纏めていって、TIPS集にしていければと思います。
期間限定訴訟ホールドとは、単一アイテムの回復期限(各メールボックスの削除済みアイテムを復活できる期間:デフォルト14日)を延長することにより、特定のメールボックスにおいて一定期間情報を保全する機能です。
こちらの期限の延長は、30日までであれば通常のExchange Onlineプラン1などでも実施することはできたのですが、利用しようと思うと従来は都度サービスリクエスト(SR)を上げて設定して貰う必要があり、かつメールボックス単位で設定を入れる必要があるので、全メールボックスで期間を30日にするなどの処理は非常に大変でした。
今年に入ってからのサービスの改善で、30日以内の変更であれば、この処理をPowerShellから管理者が実行できるようになりました。コマンドは、PowerShellでExchange Onlineに接続した後に、
Set-Mailbox -Identity [対象] -RetainDeletedItemsFor [保存期間]
です。例によって、-Identityは省略不可です。また、保存期間は DD.HH:MM:SS形式(例えば30日は30.00:00:00)ですが、省略してDDのみ(30とだけ入力すれば30日と解釈)でも可能です。また、この-RetainDeletedItemsForはTab補完ができませんが、パラメーターとしては存在するので頑張って入力しましょう。
また、31日以上にする場合は、Exchange Onlineのプラン2以上のライセンスが必要になり、かつコマンドからも設定はできませんので、従来通りSRを上げて対応しましょう。
こちらは、特に追加費用無く設定することができますので、標準でデプロイする際に設定しても損は無いかもしれません。
5月に引き続き、7/6に品川のマイクロソフト本社で第2回のOffice365ライトニングトークが開催されます。
Office365 ライトニングトーク第2回 「俺にOffice365についてしゃべらせろ!」
前回はアクセス制御の部分の話をしましたが、今回はもう少しOffice365の全般的な話をしたいと思っています。
普段からちょこちょこと「Office365まとめ」にメモを書いているのですが、Office365のカスタマイズ(設定変更)について簡単に話をしようかなと思います。
ワールドワイドで見ると、結構日本ではOffice365のデフォルト設定がうまく現在の運用やポリシーに適合しないことがあるので、その辺のところを喋れればなと思います。
ご都合よろしければご来場いただけると幸いです。
Office365のディレクトリ同期ツールを利用すると、社内のActiveDirectoryの以下のオブジェクトをOffice365に(使用するしないに関わらず)同期してくれます。
こちらのMicrosoftのドキュメントをチェックすると、この同期のオブジェクト数には上限値が定められていて、それ以上はSRを上げて上限値を引き上げないといけないとあります。この閾値は20000と定められており、こちらはオンプレミスのAD上で「展開準備ツール(Deployment Rediness Tool)」を実行することにより、おおよその数値を知ることが可能です。
カウント対象となるのは以下のオブジェクトです。
【参考】ディレクトリ同期を準備する http://onlinehelp.microsoft.com/ja-jp/Office365-enterprises/ff652544.aspx 社内ドメインのオブジェクトの合計数が 20,000 個を超えると、ディレクトリ同期をアクティブ化する前に Office 365 サポートに連絡する必要があります。 |
殆どのオブジェクトがオンプレミスで同期して利用している場合は問題にならないのですが、例えばExchangeの配布グループはOffice365側で作成(※セルフサービス型で利用したい為)など、ディレクトリ同期するオブジェクトの他に相当数のオブジェクトがクラウドID(非同期オブジェクト)で存在する場合、20000には達していないのに、以下の様なアラートが発生する場合があります。
Unable to add this user because the total number of allowed objects has already been reached. + FullyQualifiedErrorId : Microsoft.Online.Administration.Automation.Quota ExceededExcption.Microsoft.Online.ADministration.Automation.NewUser
試しに、数十個のオブジェクトだけディレクトリ同期した環境にひたすらオブジェクト(ユーザー)を作っていくと、確かに20000弱(今回の場合は19960個目)のオブジェクトで上記のエラーが出ます。
また、これが発生するとディレクトリ同期ツールからオンプレミスで新規でできたオブジェクトを追加することはできません。どうやら、20000というクォータは同期したオブジェクトの数ではなく、Office365上で作成したオブジェクトも含む数値のようです。
参考までに、これは一時的にではありますが突破することは可能です。 Exchange OnlineからGUIやCSV経由でユーザーを新規作成し、後からOffice365ポータルに同期してサブスクリプション割り当てなどという事を行うことができるのですが、こちらは上記の影響は受けないので作成→ポータルに同期が可能です。 新規で作成したオンプレミスのオブジェクトと同じメールアドレスを持たせて作成すれば、ソフトマッチで同期オブジェクトとすることも可能です。 |
皆様におかれましてはこうならないように、大規模環境の場合は、上記条件を考慮の上計画的にオブジェクト数を監視して、クォータ上限の引き上げを行って頂ければと思います。
Office365で、全体管理者のアカウントでログオンを行なおうとすると、一部通常とは異なる挙動となります。
画面がグレーアウトし、「引き続きアカウントにアクセスできるようにする」とポップアップします。IDとPassを入力してサインインすると、(設定されていなければ)携帯の番号とOffice365以外のe-mailアドレスの入力を求められます。
全体管理者は最初1名しか設定されておらず、かつ他のユーザーからパスワード変更を行なうことは勿論ですができません。その唯一の管理者がパスワードを忘れてしまった場合、何も操作ができなくなってしまう事態になるので、これを防止するために作られている機能になります。昨年末くらいのバージョンアップで実装されました。
ちなみに、上記の画面はESCを押したり閉じたりできないのですが、アドレスバーを一度選択して押下(同じアドレスに再接続)もしくはリロードボタンを押せば閉じることができます。
さて、この機能ですが、例えば全体管理者のアカウントが複数あり、相互にパスワードのリセットが可能な状況などの場合は無くても問題ない場合があります。
また、例えば最初に作った管理アカウントadmin@xxxx.onmicrosoft.comなど、個人に紐づいていない管理者アカウントに携帯電話番号など無いと言う場合も有るかと思います。(もちろん、ダミーで入れておくという手も有りますが)
こちらを無効化するには、PowerShellでSet-MsolCompanySettingsのSelfServePasswordResetEnabledにて制御を行なうことが可能です。
Set-MsolCompanySettings -SelfServePasswordResetEnabled $false
これをfalseに設定しておけば、上記のような画面が出ずに、通常通り管理者アカウントでログインできるようになります。
Windows 8 Release PreviewとWindows Server 2012 Release Candidateが出ました。世間では皆さんインストールして色々試されているみたいですので、私も少し触ってみます。
Windows 8から大きく変わった点としては、スマホやタブレットなどの環境を意識した作りになっており、メール・カレンダーが標準で入っていてActive Syncに対応しているという点になります。
Exchange Onlineのアカウント(メールアドレスとパスワード)を入力すると、Autodiscoverで自動的に接続されます。メールアドレスとログオンユーザ名が違う場合は、ログオンユーザ名が聞かれます。
ちなみにADFSのシングルサインオン環境のアカウントでも特に問題なく利用できます(ActiveSyncの場合はクライアントから見た場合の差は無いですから当然と言えば当然ですが)
アカウントが追加され、Active Syncポリシーに従ってセキュリティ保護を強化するかどうかのダイアログが表示されますので、「これらのポリシーを適用する」を選択します。
以上の作業で、メール・予定表・連絡先が同期されるようになります。デフォルトでは、過去2週間分のデータがプッシュ通知で受信されますので、設定を変更したい場合は「設定」の「アカウント」から変更します。
ちなみに、Exchangeから見た場合は、以下の様なActiveSyncデバイスからアクセスが来たと認識されております。「デバイス名:WIN8RP」「デバイスのモデル:Windows PC」「デバイスの種類:WindowsMail」
Exchange ActiveSyncですので、リモートワイプを行うこともできます。スマートフォンとは違い、Exchangeから同期したアカウントの設定・コンテンツのみが消されるという形になりますので、運用上は比較的使いやすいかもしれません。
また、ADFS環境の場合、Exchange OnlineからADFS(ADFS Proxy)に渡されてくるクレーム情報は以下の感じです。プロトコルはMicrosoft.Exchange.ActiveSync、User AgentはWindowsMail/16.4.3364.0511です。
IPアドレスが、アクセス元のIPではなくExchange OnlineになっているのはCASとMBXのDCが分かれた場合に出るという症状でしょうか? POP/IMAPではたまに出るアカウントとかありましたが、ActiveSyncで出たのは始めてなのでちょっと調べてます。
ただ、あくまでActiveSyncプロトコルを利用しておりますので、余りに長い期間のコンテンツを同期対象としてしまうと動作が非常に遅くなってしまいますので、メインで利用するのはOutlookもしくはOWAとして、モバイル端末に設定して補完するような用途とした方が好ましいかと思います。
ただ、OWAと違ってわざわざブラウザのウィンドゥを立ち上げておかなくても、バックグラウンドでプッシュ通知で自動的に更新が反映されますし、モバイル用途には非常に向いているように見えます。上手く使い分けできると良いかもしれませんね。
【参照】
Windows 8 での Office 365 ベース電子メール アカウントの構成(公式Wiki)
Windows 8 Consumer Preview + Exchange Online を使用したデバイスの管理(SEの雑記さん)
人気の日本オリジナルコンテンツ、「AD FS によるシングルサインオン環境構築のステップバイステップガイド」の第2版が公開されました。いつもこの自習書シリーズは色々と参考にさせて頂いていて大変良いコンテンツです。
今回、ADFSの自習書の中で、いくつか自分で誤記であったり、自分で書くのであればこういった書き方ではなくこうするといったポイントがいくつかあるので、この中で簡単に纏めさせて頂きます。
「どっちが正しい」というよりは、あくまでそういった見方も有るという形でごらんを頂けると幸いです。
項番 | 自習書原文 | 気になるポイント |
---|---|---|
4.1 | SQL Server 2005 Express Editionにて対応する手順を記載しております。 | ※多分今はSQL Server 2008/2008R2 Express Editionに変更されているかと |
4.2 | Active Directory Federation Services 2.0 は、Windows Server 2008 または Windows Server 2008 R2 で展開します。 |
※ADFS(非Proxy)の方は接続用のPowerShellの要件があるので余程の事情が無い限りはR2の方が良いと思います。 |
5.1 | Microsoft Online Servicesディレクトリ同期ツール: SQL Server 2005 Express Identity Lifecycle Manager 2007 |
SQL Server 2008 ExpressまたはSQL Server 2008R2 Express Identity Lifecycle Manager 2007またはForefront Identity Manager 2010 |
同期頻度: 初回の同期後は、3時間ごとに同期が行われます。またレプリケーション期間は構成できません。 |
レプリケーション間隔の変更はサポートされませんが、管理者が手動で同期することは可能です。 | |
5.2 | AD FSプロキシの展開: ユーザーが会社のネットワークの外部から接続している場合に展開する必要があります。 |
ユーザーが会社のネットワークの外部から接続している場合、もしくはOWA以外からのメールクライアントからExchange Onlineに接続する必要がある場合に展開する必要があります。 |
8 | 各ツールの用意 ADFS01 .NET Framework 3.5 SP1 Microsoft Online Services Sign-In Assistantツール 不可 ※3 |
.NET Framework 3.5.1 ※事前ダウンロード可能になりました。 ・Microsoft Online Services サインイン アシスタント (IDCRL7) – 32 ビット版 ・Microsoft Online Services サインイン アシスタント (IDCRL7) – 64 ビット版 |
9.2 | ドメイン登録情報の変更 外部DNS上に以下のTXTレコードを追加しています。 “mskkonline.com MS=ms12345678” ※数字部分はドメインによって異なります。 |
レコードということであれば、 “MS=ms12345678” か、あえて丁寧に言うのであれば “@ MS=ms12345678” |
9.3 | ドメインの所有確認 7. 再び、[ドメイン]に戻り、追加したドメインの状態が”アクティブ”になっていることを確認します。 |
7. 再び、[ドメイン]に戻り、追加したドメインの状態が”確認済み”になっていることを確認します。 |
表4下 SIPレコード(Lync Online) |
SIPレコード、_sipfederationtls._tcpレコード(Lync Online) | |
10.1 | UPNサフィックスの追加 AD と SMTP のドメイン名が異なる場合、UPNの設定が必要となります |
ADのUPN名が自社が所有していないドメイン名やインターネットから引けないアドレス(????.localなど)の場合、代替UPNサフィックスの設定が必要となります |
10.6 | ディレクトリ同期の確認 “Microsoft Identity Integration Server”サービスの状態が以下のようになっていることを確認して下さい。 |
“Microsoft Identity Integration Server”サービスまたは”Forefront Identity Manager Syncronization Service”の状態が以下のようになっていることを確認して下さい。 |
11.1.3 | SSL証明書の発行 また証明書の有効期間は1年間となりますので、必要に応じて、更新をご検討下さい。 |
また証明書には有効期間(例えば1年など)が定められておりますますので、必要に応じて、複数年度購入や更新をご検討下さい。 |
11.7 | AD FSの冗長化 また、2台以上で構成する場合は、冗長化構成の為NLBの設定が必要です。 |
また、2台以上で構成する場合は、冗長化構成のためNLBの設定もしくはハードウェアLBが必要です。 |
11.9 | Microsoft Online Services ID フェデレーション管理ツールのインストール | ※Windows PowerShell 用 Microsoft Online Services モジュールに名称が変更されてます。 |
12.2 | Hostsファイルの編集 ※AD FSを複数台構成し、NLB(ネットワーク負荷分散)による冗長化を行った場合は、… |
※ADFS ProxyはDMZに配置しますので、普通はNLBではなくHLB(ハードウェアLB)で冗長化します。 |
12.9 | ポート要件 TCP 443 Outlook Web App Lync 2010 client |
※参照元のMSのドキュメントも誤ってますが、独自ドメインの場合はSSLによるAutodiscoverのプロセスがSSL証明書のCNの不一致で失敗し、HTTPにフェールオーバーして行われますので、TCP 80&443です。 |
13.3 | アクセス制御 (表) 社内 デバイス OWA/Outlook IP制限 ○ |
IP制限は社内でもOWA以外へのExchange Onlineからの要求のみしか行えません(たとえば、社内の特定の拠点のIPからのみOWAを利用させたいなど) 表で言うなら、社内は以下の通り。ただ、普通ActiveSyncはモバイルアクセスになるので、アクセス元のIP制御は実効上出来ないと思いますが…デバイス OWA/SharePointOnline/LyncOnline Outlook、ActiveSync、POP/IMAP IP制限 △(ADFS Proxy経由かそうでないかのみ制御可能) ○ |
14.1 | 認証失敗ログ(AD FS によって制御されたログ) ・アクセス元の IP アドレス ・アクセス プロトコル (RPC/HTTPS, POP/IMAP, ActiveSync など) ・アクセス アプリケーション (Outlook であればバージョンやエディション) |
前の章でもそうですが、IP,Protocol,Agentを付与してくるのはExchange Onlineのみです。 ・Exchange Onlineの場合アクセス元の IP アドレス ・Exchange Onlineの場合アクセス プロトコル (RPC/HTTPS, POP/IMAP, ActiveSync など) ・Exchange Onlineの場合アクセス アプリケーション (Outlook であればバージョンやエディション) |
14.2 | 認証成功ログ(AD FS によって認証されたログ) | ※そもそも、14.3の工程を行い、「成功の監査」を記録できるようにしないとこのログは記録されません。 |
私自身の認識が間違っているなど有れば、コメントなどで連絡を頂ければ確認して適宜訂正をさせて頂きます。
昨年末から6ヶ月間かけて展開が計画されていたExchange Onlineサービスですが、概ねゴールデンウィーク前後に終了したようです。(OWAの接続先がsin,hknではなくsix,hkxで始まるサイト名になっていることで確認ができます。)
大々的には出してはいませんが、この更新によってSP1ベースがSP2ベースに変わっているようです。これに伴い、一部挙動が変更されている機能がありますので紹介します。
フューチャーフォンからのアクセスが可能になるOWA mini(OwaMailboxPolicy上は一応有効化されてますけど)とかGAL分割とかに活用できそうなアドレス帳ポリシーとかは残念ながら提供されていないのですかね。
Office365で独自ドメインを利用する場合、Lync Onlineで利用するSRVレコードを追加して下さいという指示が来ます。
ただ、世の中を見回してみますとDNSホスティングサービスでSRVレコードを提供している物は少ない…というか殆ど無いというのが現状です。今回は、対応している数少ない事業者さんの中でGMOさんの提供されているRocketNetというサービスを紹介します。
DNSサービスは、ホスティングサービス(”年”額1000円から)を契約するか、扱っているドメインの種別は限定されますが、ドメインを新規で取るか移管を行えば利用できます。
Office365の認証用のTXTレコードを追加します。
しばらく待って確認が取れるとOffice365で独自ドメインが利用できるようになります。
指示だと、このままNSレコードをOffice365に切り替えるということになりますが、ここは移行のタイムラグが大きい工程なので、事前に現在のDNSにもレコードを登録して影響が最小限になるようにしたいと思います。(なお、プランEの場合はDNSを切り替えなくて良いので、この次の工程までで完了です。)
続いて、これを先ほどのDNS管理のレコードの追加で登録します。
SRVレコードのみ、追加が少し分かりづらいですが以下の様に入力します。ゾーンの名称は「_sipfederationtls._tcp」になります。
この状態で、ネームサーバーのタブからOffice365のDNSサーバに切り替えを行えば完了です。
ちなみにこちらのサービスですが、DNSの方は上記の通り利用可能なドメインの種別が少ない(同じGMOさんのサービスですが、お名前.comの方が断然多いです)のと、取得したドメインのwhois情報がGMOに固定になる(通常はwhois公開代行と呼ばれている機能)ということで、少し利用可能な環境を選ぶかもしれません。
ただ、Webサービスを購入すればDNS管理も利用できるっぽいので、公開Web用を兼ねて借りても良いかもですね。
Office365のExchange Onlineを利用する場合、ネットワーク的に離れているということもあり、キャッシュモードでの利用が推奨され、アドレス帳もオフラインアドレス帳を利用するのが一般的かと思います。ただし、オフラインアドレス帳の更新は1日1回であり、その時間もサービス仕様としては定められておりませんので、環境によってはグローバルアドレス一覧を直接利用したいというニーズもあるかと思います。
今回は、グローバルアドレス一覧を開いた際に発生する事象について紹介したいと思います。まず、アドレス帳を開いて、「グローバルアドレス一覧」をリストから選びます。
すると、通常はアドレス一覧が表示されているはずなのに何も表示されていない状態となります。
一見すると、グローバルアドレス一覧に接続できていないように見えますが、実際は「その他のフィールド」のラジオボタンにチェックを入れて検索を行うと、検索することが可能です。
この事象ですが、MicrosoftのKBも出ており対策用のFixITも出ているのですが、要約しますと『日本語版のOutlook2007/2010はふりがなによるソートがデフォルトの「名前のみ」の状態で有効になっているが、接続先のExchangeのCASが日本語で無い場合、ふりがなによるインデックス化が行われない為、何も表示されない』ということのようです。(「名前のみ」を解除し、ふりがな以外で検索することは可能)
Outlook 2007 または Outlook 2010 で、Exchange Server 2007 または Exchange Server 2010 の GAL の検索結果が正しく表示されない
オンプレミスの環境であればいかようにでも対策は取れますが、残念ながらOffice365はマルチテナントのサーバであり、かつ日本語以外の環境のテナントも数多く収容されているマルチリンガルなサーバーですので、改修(システム言語を日本語に…)というのは難しい気がします。
という訳で、解決法は大きく2つ
という形となります。後者に関しては、Fix ITが出てます。手動でやる場合は、HKEY_CURRENT_USERSoftwareMicrosoftExchangeExchange Provider に DisableGALPhoneticをDWORDで作成し「1」を設定します。
これにより、グローバルアドレス一覧を開いた際にもデフォルトでユーザー一覧が表示されるようになります。(ふりがなの欄は消えてしまいますが)
P.S.ちなみに、ふりがな自体はPowerShellのSet-Userコマンドレットで投入することは可能です。