Office365のExchange Onlineを利用する場合、ネットワーク的に離れているということもあり、キャッシュモードでの利用が推奨され、アドレス帳もオフラインアドレス帳を利用するのが一般的かと思います。ただし、オフラインアドレス帳の更新は1日1回であり、その時間もサービス仕様としては定められておりませんので、環境によってはグローバルアドレス一覧を直接利用したいというニーズもあるかと思います。
今回は、グローバルアドレス一覧を開いた際に発生する事象について紹介したいと思います。まず、アドレス帳を開いて、「グローバルアドレス一覧」をリストから選びます。
すると、通常はアドレス一覧が表示されているはずなのに何も表示されていない状態となります。
一見すると、グローバルアドレス一覧に接続できていないように見えますが、実際は「その他のフィールド」のラジオボタンにチェックを入れて検索を行うと、検索することが可能です。
この事象ですが、MicrosoftのKBも出ており対策用のFixITも出ているのですが、要約しますと『日本語版のOutlook2007/2010はふりがなによるソートがデフォルトの「名前のみ」の状態で有効になっているが、接続先のExchangeのCASが日本語で無い場合、ふりがなによるインデックス化が行われない為、何も表示されない』ということのようです。(「名前のみ」を解除し、ふりがな以外で検索することは可能)
Outlook 2007 または Outlook 2010 で、Exchange Server 2007 または Exchange Server 2010 の GAL の検索結果が正しく表示されない
オンプレミスの環境であればいかようにでも対策は取れますが、残念ながらOffice365はマルチテナントのサーバであり、かつ日本語以外の環境のテナントも数多く収容されているマルチリンガルなサーバーですので、改修(システム言語を日本語に…)というのは難しい気がします。
という訳で、解決法は大きく2つ
- オフラインアドレス帳を普段は利用し、グローバルアドレス一覧は最新の情報を検索する場合にのみ利用する
- Outlookを英語版と同じ環境(ふりがなが有効化されていない設定)に変える
という形となります。後者に関しては、Fix ITが出てます。手動でやる場合は、HKEY_CURRENT_USERSoftwareMicrosoftExchangeExchange Provider に DisableGALPhoneticをDWORDで作成し「1」を設定します。
これにより、グローバルアドレス一覧を開いた際にもデフォルトでユーザー一覧が表示されるようになります。(ふりがなの欄は消えてしまいますが)
P.S.ちなみに、ふりがな自体はPowerShellのSet-Userコマンドレットで投入することは可能です。