DuplicateDeliverによる配信不可

Exchange Serverでは、以前のバージョンより同じメールが複数届いた場合に最初の1通のみ受信し、残りのメールを重複として削除するシングルインスタンス機能が備わっています。Exchange Server 2013においても同機能が備わっております。

重複と検出判断されたメールは、メッセージ追跡ログを見ると、2通目以降のメールには Source STOREDRIVER EventId DUPLICATEDELIVER が記録され、メールボックスには最初の1通だけ配送されます。
20150311_01

、同一のメッセージと見なされる条件は以下の通りです。

  • 同一のMessageIDヘッダであること
  • 同一のDateヘッダであること
  • 同一のメールボックスへの配送であること

参照:How does duplicate detection work? / Exchange 2007 で重複するメッセージを検出する方法

この機能自体は、ユーザー側のメールを読む負荷を軽減すると共に、メールのループ防止などの意味で重要な役割を担っているのですが、一定のケースで2通目以降のメールを受け取りたい場合があります。例えば、

  1. ウィルスが誤検知されて添付ファイルが削除されたメールをアンチウィルスソフトから再送する場合
  2. ユーザが誤って削除して復元できなくなったメールをジャーナルアーカイブから再送する場合
  3. システム上の制約で同じMessageIDで送信してくるメールを受信する場合
  4. Toに自身のアドレスが、Ccにメーリングリストが入っていて、メーリングリスト毎にフォルダ分けしている場合

などです。Exchange Server 2007/2010では、デフォルトで1時間の間このメッセージの重複を検知します。また、情報自体は7日間保存しております。この時間を変更する際には、レジストリの HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\MSExchangeIS\<Server_Name>\Private-<GUID>\ 配下のDeliveredTo Expiration in Hours や DeliveredTo Cleanup Interval in Seconds を変更する事により変更することが可能でした。

ところが、Exchange Server 2013においては、検証する限りでこの設定が変更になっているようで、今までデフォルトでは1時間待てば配送されていた物が、7日間配送されないようになっておりました。また、今まで設定していたレジストリを設定してみても動作は変わりません

Microsoftのサポートに問い合わせて調査したところ、Exchange Server 2013 CU7現在、上記設定は7日にハードコーディングされており変更できなくなっているとのことでした。

Exchange Serverは、基本的にExchange Onlineと同じコードがベースになっているという話を聞いたことがあるので、Online側でカスタマイズ不可としてハードコーディングされているのであれば、それも考えられるかなとは思う反面、今までとデフォルト値を変更した上に設定変更も不可…というのはちょっと厳しいかなとも感じております。

最近、Exchange Onlineの挙動を見る限りでは、重複検出期間が24時間に仕様が変更になったっぽいので、オンプレも今後のCU8やそれ以降で挙動が変更にならないかどうか注視していきたいと思います。

関連記事: 重複メッセージの除去(Exchange Online)

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