AAD ConnectでExchange属性が同期されない の記事でオンプレミスのExchange関連のスキーマについて記載させて頂いた所、Skype for Business(Lync)関連のスキーマについてはどうなのかと質問を頂きましたので、簡単に調べた範囲で記載したいと思います。
オンプレミスのADスキーマがSkype for Business(Lync)用の拡張がされていた場合、以下の3つの同期ルールが作成されます。
・In from AD – User Lync
対象:user
以下の属性を同期する:
msRTCSIP-ApplicationOptions
msRTCSIP-DeploymentLocator
msRTCSIP-Line
msRTCSIP-OrganatorSid
msRTCSIP-OwnerUrn
msRTCSIP-PrimaryUserAddress
msRTCSIP-UserEnabled
msRTCSIP-OptionFlags
・In from AD – InetOrgPerson Lync
対象:inetOrgPerson
以下の属性を同期する:
msRTCSIP-ApplicationOptions
msRTCSIP-DeploymentLocator
msRTCSIP-Line
msRTCSIP-OwnerUrn
msRTCSIP-PrimaryUserAddress
msRTCSIP-UserEnabled
msRTCSIP-OptionFlags
・In from AD – Contact Lync
対象:contact
以下の属性を同期する:
msRTCSIP-DeploymentLocator
msRTCSIP-Line
msRTCSIP-PrimaryUserAddress
msRTCSIP-OptionFlags
msRTCSIP-OrganatorSid 以外の属性では、既存のディレクトリ同期ツールにおいては無条件で(存在する場合)同期されていました。
msRTCSIP-OrganatorSid については、リソースフォレストモデルでの展開の際に利用されるものですので、AAD Connectから新規で追加された同期ルールになります。
従いまして、Exchangeの様に特に同期する対象を限定するスコープなど設定されていないため、アップグレード前後で同期属性が変化することは、Skype for Business Serverをリソースフォレストモデルで展開していない限りはないと言えます。